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8話 三人の少女と、新たな日常へ

مؤلف: みみっく
last update تاريخ النشر: 2025-09-25 19:00:08

 金髪のショートヘアに金色の瞳を持つ少女はエル。セミロングの茶色い髪と瞳の少女はステフ。そして、淡い紫色のセミロングヘアに透き通るような紫色の瞳をした少女はブロッサム。

 ここでゆっくりしていると、悪党の仲間が来る可能性がある。それに、死体のある場所に長居をしたくはない。

(……家に連れて帰るか。徒歩だと2、3時間の距離だし、歩くしかないな)

 彼はそう心の中でつぶやくと、念のため探索魔法で周囲に人がいないか確認する。異常なし。ただ鳥のさえずりが、静かな森に響いているだけだった。

「ボクは近くの町や村を知らないから、送り届けるのはムリなんだけど……ボクの家に来る? それともここでお別れする?」

 少女たちは、ほぼ即答した。その瞳には、期待と不安が入り混じっている。

「「「家に行きたいです!!」」」

 その声に、彼は小さく微笑んだ。そしてアイテムボックスから水袋を取り出し、一人ひとりに手渡して水分補給をさせた。冷たい水が、子供たちの喉を潤していく。

「2、3時間歩くけど大丈夫? 途中で休憩してもいいけど」

「「「大丈夫です!」」」

 問題なさそうだ。

 歩きながら、ふと気になったことを聞いてみる。

「ちょっと遅くなったけど、ボクは”そら”だよ。山の中に住んでて人と会うことがなくて気になるんだけど……魔法って使える?」

 エルは元気よく答える。瞳を輝かせ、自信ありげな表情だ。

「うん。魔法は少しなら使えるよっ!」

 ステフは少し控えめな様子で、視線を泳がせる。

「魔法は、ある程度なら……使えます……」

 ブロッサムは落ち着いた口調で、穏やかな表情を見せる。

「わたしも、ある程度は使えますわ」

 彼はさらに聞いてみる。

「どの程度、魔法を使えるのかな?」

 エルが答える。

「えっとねぇ、学校のクラスでは普通くらいだったよっ」

 ステフは申し訳なさそうに、肩をすぼめる。

「生活魔法くらいです……」

 ブロッサムは誇らしげに、わずかに胸を張る。

「治癒魔法なら使えますわ」

 うぅーん……エルとステフはどのくらいの実力なのかまだ分からない。そのうちもう少し詳しく聞いてみよう。

 また、どうして拐われたのかも気になるが、今すぐ聞くのは酷かもしれない。焦らず、落ち着いてから話してもらえればいいだろう。子供たちの顔には、まだ疲労の色が残っている。

 歩き続けていると、ちょうど草むらに差し掛かる。そこで、バッグを隠していたかのように、アイテムボックスからバッグを取り出し、背負った。

(2、3時間歩くし、夕飯の食材を確保しておこうかな)

 ふと思い立ち、少女たちに尋ねる。

「狩りはできる?」

 少女たちは、ほぼ即答する。一斉に首を横に振る。

「「「できません!」」」

(やっぱりか……。魔法で狩が出来るなら、魔法の基準が少しは分かると思ったんだけどな……)

 魔法をどこまで見せてもいいのか考えながら、探索魔法で周囲の情報を探る。

 ──すると、ウサギの気配が近くにある。草むらの奥で、微かに動く影が見える。

 指先に魔力を集中し、狙いを定め──撃つ!

 弾丸は一直線に飛び、狙い通り命中。

 その瞬間、少女たちは目を見開く。驚きと戸惑いが入り混じった表情で、彼の手元を見つめる。

「「「ぇ……! 何の魔法?」」」

 呆然としている雰囲気が伝わる。

(……気にしないでおこう。気にして狩りを遠慮していたら、夕飯がなくなるし)

 最終奥義の心臓転移魔法を使えば、目立たず確実に仕留められるが、今回の狩りは魔法の精度の練習と食料の調達だ。そこまでやる必要はない。

 ──つい、楽しんでしまっただけだ。

 獲れた獲物を拾う際、明るく元気なエルが手伝ってくれる。獲物を受け取るときの、彼女の小さな手が温かい。

「ありがとう! 助かるよ。……えっと……エル!」

 彼女は純粋に楽しそうだ。元気でいい子だな、と彼は少し微笑んだ。

 道中、ウサギを3匹と鳥2匹を確保した。

 さらに大型の獣もいたが、これ以上獲ると少女たちに引かれそうだったので、自重することにした。それに、食料はパンもあるし問題ないだろ。

 それに、持ち帰るのも大変だし──これで十分だろう。

♢異世界生活、拠点と新たな仲間たち

 家に戻ると、そらは早速、持ち帰った獲物を解体し、調理しやすい状態へと整え始めた。少女たちは手伝おうと近くに寄ってきたが、解体の仕方を知らず──結局、興味津々に見学するに留まる。

(まぁ、慣れてないと難しいよな)

 その日の獲物は、新鮮なウサギと鳥。普段の生活では触れることのない生々しい解体の光景に、少女たちは目を丸くしている。そらは手際よく肉と骨を分け、血抜きを済ませた。

 解体が済んだところで、次は調理である。しかし、自分の料理のレパートリーを考えてみると、インスタントラーメン、肉を炒める、目玉焼き……それくらいしか思いつかない。

「あ、焼肉は家でもしたことあるけど……タレがないからムリか。調味料もないし……」

 そこで、ふと、ある考えが脳裏をよぎる。 ”創造魔法” イメージさえできれば、何でも生み出せるこの能力なら。

「塩なら出せるかも?」

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